【下関→東京 在来線特急の旅】ウエストエクスプレス銀河 山陽ルート 旅行14

今日のJRの長距離旅客輸送は新幹線が軸となっており、新幹線に並行する在来線は貨物輸送、地域輸送に徹することとなっている。

新幹線によって多くの人が目的地により早く到着できるようになり、多くの人が利益を享受する一方、移動そのものを楽しむという考えが薄れてきてしまっていた。

そんな中JRはクルーズ列車と呼ばれる、各地方の観光地を列車内で数日過ごしながら巡ることができるというものを始めたが、残念ながらそれらは気軽に乗れる料金設定ではない。

そんな中でJR西日本が気軽に鉄道の旅を楽しめる列車として開発したのが、このウエストエクスプレス銀河である。価格はクルーズ列車と呼ばれる列車に比べて、十分気軽に利用できる価格となっている。

 

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左の黄色い車両が原型、右が改造後のウエストエクスプレス銀河

車両は元々大阪周辺を走っていた新快速電車、つまりその辺を走ってた通勤列車の車両を改造したもの。まずここでコストカットが図られている。

しかし車内は真新しくなっており、ここでは元通勤電車を殆ど感じさせない。

車内は様々な種類の設備があり、すべてここでは紹介しきれないので、JR西日本のHPのリンクを参照。

www.jr-odekake.net

 

旅行商品に申し込んで乗ることができ、基本的に抽選となっている。

大学の友人と2人で申し込んだが、今回は平日だったこともあり、おそらくそれほど高くない倍率で当選することができた。

今回乗車するのは下関→大阪の昼行運転。

他にも、季節ごとにJR西日本管内の様々な区間での運転がなされており、夜行列車での運転も多くなされている。

 

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乗車するのはクシェットと呼ばれる横になれるタイプの座席。

ブルートレインの開放型B寝台をイメージして造られた。

しかし寝台車ではなく、普通車としての販売のため、ここでも価格を抑えられていることがわかる。

コロナの影響で人数を制限しているため、この4人の区画を友人と2人でのびのび利用できた。

 

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10:38に下関を発車、大阪到着は22:02

大阪まで約12時間の長旅のスタート。

 

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フリースペース、特急のヘッドマークを模したパーテーションが設置されている。

机の上のマス目のようなものが写っているが、元々ボードゲームなどをこのフリースペースで楽しんでもらうという予定だった。

 

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宇部市からお茶とチョコレートのお菓子のプレゼント。

このお菓子はとてもおいしかったので、安くはなかったが車内販売で購入することにした。

 

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柳井駅で30分の停車。

地元の人が出迎えてくれ、特産品の販売を行ってくれた。

 

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自分たちの座席は基本的に横になることを想定しての造りため、昼食のお弁当はフリースペースで食べることに。先ほどとは別の場所。

 

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このあたりでちょうど海が近くに見えるようになった。

 

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広島を過ぎ、有名な峠越え「セノハチ

モーター音を唸らせながら峠を上る。

 

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途中の長時間停車ではニンテンドースイッチマリオカートをした。

 

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倉敷駅でも特産品の販売等のイベントがあり、駅長さんが大原美術館の絵画を解説していた。

 

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夕食のお弁当。美味しかったが苦手なものが少し多かった。

 

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ここまで長時間乗ると生活感満載な感じになってくる。

 

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大阪近郊に近づいてくるにつれ、100km/h近くで走るようになる。

左右の景色が見渡せるフリースペースでこの高速走行を楽しむことにした。

 

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今回は昼行運転なので車内の電気はずっと付いていたが、明石海峡大橋の夜景が見える区間などでは消灯もしてくれた。

 

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昼行運転だが、夜行列車の雰囲気も味わえた。

 

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反射で見えにくいが、最後に大阪の高層ビル群を眺めながら、終着の大阪駅へ。

本当にあっという間で楽しい旅だった。

 

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そして大阪駅周辺でお風呂に入り休憩し、2時間半後に出発する寝台特急サンライズ号で東京へ帰る。

 

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B寝台シングルツイン。

2人で使うのには結構狭かったが、この狭さがまた雰囲気があってよかった。

 

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米原のあたりでは積雪が見られた。

 

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起床するといつもみている列車と並走。旅の終わりを実感。

 

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多摩川の橋梁からの東京のビル群。

 

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東京都に到着。

約1000kmを約20時間半で走破。

ちなみに往年ブルートレインあさかぜは約15時間だったので、大阪駅での待ち時間を考慮してもそれに比べて大幅に掛かってしまった。

しかし、この令和の時代に山陽本線東海道本線の大幹線を特急列車で走破できたのは貴重な経験だと思う。

 

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特に自分は長距離を走る特急列車が好きなので、今回のこのウエストエクスプレス銀河はとても気に入った。是非また乗りに来たいと思う。

冒頭でも述べたように、改造によって作られたこの車両の寿命はそう長くないとされる。

しかし、この列車が多くの利益を生み出せば、今後JR西日本やその他JR各社がこのような列車を運転してくれるかもしれない。

そのためにも、なるべく多く乗ることが、自分にできる唯一のことだろう。