カシオペア紀行 展望スイート Part2
常磐快速線を抜け、藤代駅では特急列車に抜かれるための停車時間があった。
札幌まで行っていた時代にはこのような停車はなかったが、現在は急いで行く必要がないため、特急列車に先を譲る運転となっている。
ちなみに上野ー水戸間の所要時間は普通列車と殆ど変わらない。
都会の景色から段々と地方の景色に変わってゆくにつれて、外も暗くなっていき、いよいよ夜行列車という雰囲気になりつつあった。
水戸到着の直前にディナーの時間となり、食堂車に向かう。
食堂車に入った時点でもうかなり暗くなっており、殆ど外の景色を楽しむことはできなかったが、展望スイートで明るい時間を過ごせたので満足だった。
フランス料理のコースとなっており、写真はホタテ貝柱のサラダ仕立て カシオペアスタイル。ピクルスでカシオペアの車体の五色の帯をイメージしているそう。
コロナの影響で、食堂車を使える乗客はかなり絞られており、ほとんどの乗客は自室でカシオペアスペシャル弁当を食べる形になっている。
上級客室は基本的に食堂車が使えるが、他の客室では予約するのがなかなか難しそうだった。
コロナ以前は4人席で相席などして食べていたようだが、今回は4人席を2人で使えたので、その点ではよかった。
部屋に戻ってひと休みすると、列車はいわきに到着。
ちなみに、常磐線の大体どの駅に停車していても、列車の長さがホームの長さに対して長すぎるため、最後尾のこの個室からホームの様子を窺うことはできない。
ここからいよいよ常磐線の中でも2011年の大震災によって大きな被害を受けた区間に入ってゆく。
自室が展望室なのであまり来る意味はないが、折角なので反対側の展望ラウンジに遊びに行く。
ここにはカシオペアに乗車した人が記入する旅ノートがあり、何人か知っているYouTuber達が記入したものも確認できた。
そして夕食後にお酒とおつまみをいただける、パブタイムの時間になり、再び食堂車へと。
マンゴーとワインのカクテル。朝焼けをイメージしたらしい。
ちょうどこの時間に、列車は福島第一原発の付近を通過。
周辺にはまだ帰宅困難区域に指定されており、夜で暗かったが、人の住んでいないであろう家屋がいくつか見られた。
もちろん常磐線の線路と駅周辺はきちんと除染されているため列車に乗る分には全く問題はない。
この周辺が完全に震災前の姿を取り戻す日は来るのだろうか。
パブタイムを終え、部屋に戻ってシャワーを浴びることに。
個室のシャワーで気を付けなければならないのが、上がった後に油断して全裸でシャワー室を出ると、駅を通過した際にホームの人にすっぽんぽんを見られかねないということ。
フ〇チンで展望席の景色を楽しむというこれ以上ない解放感を体験したい気持ちもあったが、撮り鉄がいつ写真を撮っているかわからないのでやめておいた。
共用のシャワーであれば更衣室で着替えをしなければならないので起こりえないが、個室では十分注意したい。
以前にサンライズ号の個室内で着替えをしていた際にも、駅停車中にホームに人がいる状態で普通に着替えようとしてしまったことがあった。
シャワー室はサンライズ号の共用のシャワー室よりは狭く、シャンプーやボディソープもアメニティセットのもののみで、備え付けのものはなかった。
18分と他のシャワーより長い時間が設定されているものの、あの狭くて揺れるシャワー室で長々と入っていたいとはあまり思わず、結局2人で半分ちょっとしか使わなかった。
それでも部屋にシャワー、トイレ、洗面台があるというのはとてもありがたく、サンライズ号の夜のシャワー室や朝の洗面所は誰かが使っているというケースも多く、そのような煩わしさがなくなるだけで、かなり快適な列車旅になる。
To be continued...